社労士会「月刊社労士」を数ヶ月心待ちにしました。なぜか?と申しますと、
童門冬二著 「誠実に滅びの道を歩む」を読むためでした・・・・。
残念なことに、今月号の第5話で終えてしまいました・・。
この小説は、新撰組のまさに、滅びの美学を描いています。滅びの美学・・というとおかしな印象かも知れません。
動乱の幕末を駆け抜けた最強の新選組。
近藤勇・土方歳三・沖田総司といった若者たちが武士になる夢を抱いて京都へ上り、浪士組を結成したのが、その出発点でした。
彼らの任務は、討幕をもくろむ尊王攘夷派の志士を取り締まり、京都、いえ江戸の治安を守ることでした。
やがて新選組の名を冠せられた彼らは幕府の手先として得意の剣をふるい、敵である尊王攘夷派の志士たちを斬りまくります。
しかし時勢は彼ら新撰組に味方することなく、江戸幕府は瓦解していきます。
結果、新選組は結成からわずか6年で世を乱す逆賊として追われる立場となりました。
銃弾に倒れる者、捕えられて首斬られる者…。隊士たちの多くは悲惨な最期を遂げました。
滅びゆく徳川に殉じる。
戦略的にはまったく無価値な行為。
愚かとも見えます。
しかし現在、近藤勇、土方歳三、沖田総司というおなじみの名をきくとき、私たちの胸にこみ上げる熱いものは、何なのでしょうか?
映画に、小説に、漫画に、繰り返し新選組の物語は語られ、年々ファンが増え続けています。
東京板橋の近藤勇の墓、京都壬生の新選組屯所跡…こうした新選組スポットには老若男女問わず、多くのファンが訪れ、手をあわせたり、遠く幕末の昔にその思いをはせています。
140年を経た現在でも、こんなにも日本人の心を引き付けて離さない、新選組の魅力とは何なのか?最後まで武士としての忠義を貫いた潔さ?あるいは、ほろびゆく者に殉じる美学でしょうか?
判官贔屓。そんな単純な言葉では片づけられない何かが、日本人の血の深いところに根差した何かが、新選組人気の底にはあるように思えます。
わたしは、ビジネス・コープ 櫻ホームロイヤーズに、儲からない・・といった意味では、「滅び」の美学を見ます。
誠実さ、愚直さに、かの新撰組を見ます・・。